(個人的)獣医師になるメリットとデメリット

獣医をやめた人のはなし

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獣医師って実は・・・
森野ほたてさんのブログです。最近の記事は「はじめに|自己紹介やブログの内容などについて(画像あり)」です。

「ほやほや日和」をご覧いただきありがとうございます。

今回は、私が思う、獣医師になるメリットとデメリットについて書きます。

私は獣医師免許を持ってはいますが、今は獣医師の仕事をしていません。

獣医師になったことを後悔している立場の者です。笑

そんな私が個人的に考えるメリットとデメリットなので、デメリットの方が多いです。

「絶対獣医になるんだ!デメリットなんて聞きたくない!」という方(高校生の頃の私もこんな感じでした)は、ご覧にならない方がいいかもしれません。(本当はそういう方にこそ見てほしいですが)

それでは、メリット、デメリットの順に書いていきます。

獣医になるメリット

私が考える、獣医になるメリットは以下のとおりです。

・食いっぱぐれない

・自分のペットが病気になったときに落ち着いて対処できる(臨床経験必要)

・・・すみません。がんばっても2つしか見つかりませんでした。

それでは、それぞれ解説していきます。

食いっぱぐれない

これは結構重要なメリットです。

職を選ばなければ、ある程度の収入(高収入とは言えないが)の仕事につくことができます。

中でも地方公務員獣医師は人気の場所(東京都など)を除けば、どこでも人手不足です。

受ければだいたい受かります。私も以前は地方公務員獣医師をしていましたが、その採用試験では筆記試験は時間内に終わらず「やばいかなぁ」なんて思ってたら、無事に1次試験を通過しました。その後の2次試験も立派なことを言えた感じはありませんでしたが、普通に採用してもらえました。

動物病院でも、獣医師募集しているところはたくさんあります。「絶対この動物病院じゃなきゃいやだ」というのがなければ、どこかでは雇ってもらえるでしょう。

このように職さえ選ばなければ、なんとか生きていけます。

私は最初、動物病院に勤めていましたが、「このままでは壊れてしまう…!」となったときに、転職を早く決断できたのも、「食いっぱぐれることはない」という保証があったからです。

また、その後、全く別の職種に転職する時も、この「食いっぱぐれない」という獣医師免許のメリットがあったからこそ、「もしダメだったら、また獣医師の仕事すればいいや」という安心感があったのは大きいと思います。

ただ、今後AIによって獣医師の仕事が減ってしまったら、「食いっぱぐれない」が崩れるかもしれません。今はまだわかりませんが。

自分のペットが病気になったときに落ち着いて対処できる

これは臨床経験が必要なメリットになります。

正直、大学を卒業し、国家試験に合格しただけでは、自分のペットが体調不良になったら普通に焦ると思います。(大学時代に臨床系の研究室にいた人や動物病院でバイトしてた人などは例外です)

私は、うさぎと暮らしていますが、この間体調を崩してしまった時に、「この状態なら早く病院に行った方がいいだろう」と冷静に判断して病院に連れていき、無事元気になりました。

ちなみに、「獣医なら自分で治療できるね!」と言われることもありますが、それは厳しいことが多いです。聴診器以外の診断器具を持っていませんし、症状で判断できても薬がないことが多いです。(動物病院でも人間用の薬を使うことが多いですが、人間用の薬も処方薬だと手に入りません)

でも、治療ができなくても、状況判断を冷静にできるというのは、かなりメリットとして大きいです。大切な家族を守ることができます。

獣医師になるデメリット

つづいては、デメリットについてです。

私は考えるデメリットは以下の通りです。

・獣医師になるのがそこそこ大変

・獣医師になるのにお金がかかる

・収入が思ったほど高くない

・ブラックなところが多い

・動物病院は合わない人もいる

・選べる職の幅が狭い

結構あります。

順番に解説していきます。

獣医師になるのがそこそこ大変

獣医師になるには獣医学科で6年間勉強した上で、国家試験に合格する必要があります。

獣医学科を設置している大学自体がそんなに多くなく、17校しかありません(2024年時点)。

また、大学に入ったら、あとは国家試験さえ合格すれば終わり!ということはありません。

獣医師の国家試験の合格率は結構高いですが、これはふるいをかけられても生き残った人たちだけが受けているからというのもあると思います。(国立は入試の時点でだいぶふるいがかかってるので、私立ほど落とそうとはしない印象があります)

大学入学後、定期試験やCBT、OSCE(仮免許試験のようなもの)、卒業試験(大学による)をクリアしなければ、卒業することができず、国家試験を受けられません。

特に私立は、国家試験の合格率を上げるために、定期試験等でふるいをかけようとしてくる印象があります。結果がよろしくなければ、容赦無く留年です。(私の代で15人近く留年した年もありました)

ちゃんと勉強すればいいのですが、毎回試験の範囲が膨大なので、大変です。私は優秀な学生ではなかったので、毎回命を削って勉強していました。笑

国家試験を目前に卒業試験というものを行う大学もあります。この卒業試験に受からなければ、その年の国家試験を受けさせてもらえません。

こんな感じで、高い合格率の裏には、留年を経験したり、そのまま退学してしまったり、卒業試験に受からず現役での受験をあきらめたり、そんな人たちもいるのです。

獣医師になるのにお金がかかる

先ほども書いたとおり、獣医師になるには6年間大学に通う必要があります。

獣医学科を設置している大学は、国立も私立もありますが、特に私立は学費が高いです。入学金等をのぞいて、年200万以上します。

これが6年間なので1,200万円以上です。

国立であれば、もっと学費を抑えられますが、それでも4年制の大学に比べればプラス2年分の学費がかかるので高くなります。

奨学金を借りるという手もあります。しかし、この後にも書きますが、獣医師はそんなに高収入ではないので、初任給のそんなにお金がもらえない時期に、いきなり多額の借金を抱えているというのは大変なことでもあります。

借りたところで決められた期間働けば、返済しなくてよいというような奨学金もあります(地方自治体など)。しかし、採用試験に落ちたり、途中で退職したら、返済義務が生じるものがほとんどだと思うので、こちらもよく考えて借りる必要があります。

収入が思ったほど高くない

獣「医師」と、医師がつくので獣医師は高収入だと思われることもありますが、そんなことはありません。

もちろん、動物病院を開業し成功している人や、大企業などに就職し結果を残している人、動物関連の事業を起業してバリバリ活躍している人などは高収入になるかと思います。

でも、そうじゃない人もたくさんいます。

動物病院の雇われ獣医師の給料はそんなによくないことが多いです。私が働いていたところでは、年収360万円くらいでした。ただ、動物病院は差が大きいと思います。私の場合1年目だったのもあります。2年目以降の先輩たちは、もっともらっている感じでした。

その後の地方公務員に転職した後は、だいたい年収480万円でした。私の配属場所は獣医師扱いされないところだったのもあり、同じ年に入った人でも他の配属場所であれば年収500万円はこえるかと思います。ただ、公務員は最初は高いですが、給料の伸びは悪いです。

もちろん一般的な給料よりは高めかとは思いますが、医師のような収入を想像して獣医師になると、「あれ、なんか違う」となりますので、注意してください。

収入は自分次第になりますが、「獣医師=高収入」ではないということはお伝えしたいです。

ブラックなところが多い

獣医師の働く場所はブラックなところが多いです。

獣医師の働く場所として代表的なのが動物病院かと思います。動物病院は、病院によって差が激しいです。

労働時間が長い割に、残業代がもらえないところが多いイメージです。

私がいたところは、みなし残業制度だったので、どんなに残業しても月にもらえるお金は変わりません。そして、ほぼ毎日残業です。

公務員獣医師も自治体や部署によってはブラックです。ほんとに異動ガチャです。

私がいたところは、年間の残業代の予算が決まっていたので、目安時間を超えた分の残業代はなかったことにされていました(今は改善したかもしれませんが)。

仕事も多くて、忙しい時期は80時間近く残業してたのに、残業として申請できるのは20時間みたいなこともありました。

それでも、動物病院も公務員も、昔に比べればだいぶ改善されてきたみたいなので、これからもっとよくなる可能性はあります。

ちなみに、他のところに就職した人から聞いた話だと、ホワイトな企業もあるみたいです。なので、選べば良い環境で働くことも可能です。

動物病院は合わない人もいる

獣医師になりたい!と思う方の中には、「動物病院の先生」を目指しているかたも多いと思います。私もそうでした

しかし、この動物病院というのは合う合わないというのが、しっかりあると個人的に思っています。

1つの例として、私が動物病院に合わなかった理由はこんな感じです↓

・責任が重すぎる(命を扱う責任の重さ)

・接客業が苦手

・ブラック(1つ前の項目でも書きました)

この中でも、責任の重さが一番しんどかったです。

私は合いませんでしたが、合う人は生き生き働いています。合う人にとっては、やりがいのある仕事であるということは周りを見てて思います。

でも、合わないとなかなかにしんどいです…

選べる職の幅が狭い

獣医師が働く場所としては、大きくわけて

・臨床(小動物、大動物)

・公務員

・一般企業

・大学等

この4つかと思います。

3つめに一般企業と書いてありますが、企業に行く人は少なめです。そもそも「獣医師がほしい!」という企業が少ないと思います。

臨床に携わる獣医師が一番多いです。

臨床は大変そう、臨床行ったけどあわなかった、という人が公務員に行くことが多いと感じます。(中には、公務員獣医師になりたくて獣医になったという人もいますが、ごく少数です)

大学に残り、研究の道に進む人もいます。ちなみに一般企業や公務員でも研究を行えるところがあります。

「獣医=動物病院の先生」というイメージの方からすれば、意外と幅広いのでは…と思うかもしれません。

ですが、この仕事がやりたい!と獣医になって、その仕事が合わなくて転職を考えた時に、選択肢少ないな…と感じました。

獣医師免許を使わない仕事をするというのは、もったいない気持ちになるというのも原因のひとつだとは思います。獣医師免許がなければ、いろんな仕事が視野に入ってきますが、獣医師免許にしばられると、ぐっと選択肢がせばまります。

まとめ

以上が私が個人的に思う獣医師のメリットとデメリットです。

一応まとめます。

メリット

・食いっぱぐれない

・自分のペットが病気になったときに落ち着いて対処できる(臨床経験必要)

デメリット

・獣医師になるのがそこそこ大変

・獣医師になるのにお金がかかる

・収入が思ったほど高くない

・ブラックなところが多い

・動物病院は合わない人もいる

・選べる職の幅が狭い

あくまでも「個人的」な意見です。

獣医になるか迷われている方の参考になったら嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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